だいぶ前から気になっていたので久しぶりに東京国立博物館へ。ちょうど写楽展もやっているが、それはまた今度にしようと思う。
僕は小学校の4年ぐらいの時に「マンガ断ち」をしたので、同世代の人が読んでいそうな作品を知らない。正直マンガを見下していた時期もあったのだが、さすがに今はそうではない。むしろ名作と呼ばれるものに触れてみたい気持ちは大いにある。そんなこともあり、手塚治虫は知っていても、彼の作品をきちんと読んだことは残念ながら無い。
そういう前提ではあっても、この展覧会のテーマはブッダだから、何の基礎知識も無いままという訳ではないので、それなりに理解出来るだろうと思う。
展示品の内容としては、3分の2ぐらいが手塚治虫の描いた<ブッダ>の原画で、残りはそれに関係しそうな絵や彫刻だった。
ここで展示された手塚作品は確かにマンガであり、その中のコマでしかないのだろうが、ある意味でそれらも宗教画や仏画と捉えても良いのではないだろうか。もちろんそれは手塚の仏教理解と解釈に基づくものではあるが、現在に伝わるさまざまな仏教美術だって作者の理解と解釈がなければ成立しないのだから同じことだと思う。
展覧会としては、実は結構小振りなものだったので「あれ、もう終わり?」という感覚は否めないが、その一方で手塚の<ブッダ>を読んでみたくはなった。