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ホテルに入る前に駅辺りで夕食を摂ろうと思った。駅のホームの印象は14年前に来た時とあまり変わらないが、改札の外はだいぶ綺麗になったような気がする。ちょっとうろうろした後に、ラーメン屋に入ってみた。ラーメン屋と言っても、ちょっとオシャレなカフェのような雰囲気の店である。
注文をして待っていると、夫婦と思しき外人さんが横のテーブルに着いた。会話が聞こえてくるのだが、彼らはフランス人のようだ。「へえ、ラーメン食うんだ」と思っていると、二人は店員さんを呼んだ。どうやらメニューについて質問したいらしい。呼ばれた店員さんが説明しようとする。 「タ・カ・ナ。タ・カ・ナ」と彼はゆっくり、そしてはっきりと言う。 奥さんが復唱する。 「タ・カ・ナ?」 店員さんもそれ以上説明のしようがない。そして、何故、彼女が高菜ラーメンを頼もうとしたのかは知らん。 翌朝、僕は21世紀美術館に行くことにした。前に来た時は確か駅から香林坊まで歩いたはずだが、今回はバスに乗る。香林坊の交差点辺りでバスを降りる。その交差点の所だけは何となく以前の記憶がある。あの時よりは確実に「お町」になっているようだ。 しばらく歩くと金沢城の石垣が目に入ってくる。高さと整然とした美しさがある。石垣にも品格がある。さすが百万石だ。 美術館に到達。僕が入った所は正面玄関ではなかったようだ。受付カウンターを目指して奥に進む。無料スペースが結構広そうだ。かつて、水戸芸術館に初めて立ち入った時に、やはり無料空間の広さに田舎者の僕は感激したものだが、こちらは更に新しいだけあって、更に解放感がある。 今はヤン・ファーブルと舟越桂の展覧会をやっていた。チケットを買って有料エリアに入る。修学旅行だか遠足だか分からないが、子供達がワーワーやっている。そうかと思えば、車いすに乗ったお年寄りたちの集団も居る。展覧会そのものよりも、観光地的な雰囲気もある。とは言え、そういうことまで呑み込めるぐらいにゆとりのある、現代芸術体験が可能な空間だとも思える。 展覧会そのものは恐ろしくストイックな内容だ。舟越の作品が人の形(と言っても、異形のものも多い)を通じて「在る」ということを静かに語りかけるものだとすれば、ヤン・ファーブルの方は「痛み」によって「在る」ことを証明しようとしているようだ。決して複雑な位置関係ではないはずなのに、いくつもの小部屋に分かれているから、そこを彷徨っているような感覚になる。 さて、この美術館で有名なのはプールである。地上からは水の張ったプールだが、その底に人が出入り出来るという、一種のトリックのあるプールである。もちろん作者には表現の意図があったのだろうが、基本的に来場者には「お楽しみ」の空間でもある。何人か連れで行けば、上と下とで楽しめるのだろうが、生憎僕は独りだからただ眺めて体験するだけである。 お昼前に美術館を出て、再び駅に戻る。もっと時間をかけて観光しても良かったのだろうが、今回はそれ以上には盛り上がれないので帰ることにする。駅でまたしばらく考えた。富山まで帰って高山線経由か、オーソドックスに米原経由か、である。結局、特急「しらさぎ」に乗って米原方向から名古屋に戻ることにした。 今更ながらではあるのだが、最初から「名古屋→東京→長岡→金沢→名古屋」の続きの乗車券にしておけば、少しは安く上がったのかもしれない。まあ、そうはならない行き当たりばったりなところが、また旅の醍醐味でもある。 金沢、と言えば吉田健一の<金沢>を思い出す。あの作品で描かれた金沢は一種の桃源郷でもあったのだけれど、今でもその風情は残っていたように思う。またいずれ、今度はちゃんと準備した上で再訪したい街である。
by mwaka71
| 2010-05-27 23:02
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