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爆笑問題と同じ賞をもらった画家の盗作疑惑がニュースになっていた。ありゃあ誰が見ても確かに真似し過ぎだわな。
盗作、剽窃、パクリと引用は芸術の世界ではしばしば問題にされることではある。記憶に新しいところでは小林亜星vs服部克久なんていう一戦もあったな。 要は元ネタのエッセンスをどう再利用するか、だ。全くそのまま「引用」したとしても、そこに作家の側で別の意味付けや価値付けを自信を持って出来るのであれば、それは誹りの対象になっても耐えられるだろう。そうでなければ、どう色付けし(文字どおりじゃなくても)、換骨奪胎するかである。 ストラヴィンスキーのバレエ音楽<プルチネルラ>はまさに創造的な再利用である。 元ネタはバロック時代のイタリアの作曲家(楽譜には「ペルゴレージによる」とあるが、それは伝の誤りも含んでおり、他の作曲家の方が多かったはず)の作品である。それをディアギレフが「これネタにして何か作れ!」とストラヴィンスキーに言ったのだとか。まあ、ディアギレフが具体的にどんな音楽を求めていたのかは分からない。 とにかく、ストラヴィンスキーは古い音楽に向き合う。そして出来上がったのが<プルチネルラ>である。 mかに代表作かも知らん。だが、<春の祭典>と<プルチネルラ>が同じ作曲家の作品だとはすぐに分からないだろう。それだけノリが違う。 オーケストラの編成がぐっと小さい。管楽器は10人しか居ないし、打楽器は無い。<春の祭典>ではあれだけドカドカと鳴りまくっていたのに、である。やたらに耳の通りがよくなる。楽器の使い方が面白い。トロンボーンやコントラバスなどもソロ楽器として活躍する。 しかし、何よりも音楽の線が明快になった。単純とまでは言わない。そこはストラヴィンスキーだ。分かりやすくなったとは言え、リズムのキレと鮮やかさは変わらない。そしてやたらに音楽が明るい。冗談なくらいに健康的だ。 終曲は最初緩やかに始められ、次第に音量を増して、行き切ったところで一気に走り出す。その次第に音量を増す部分で、かつてかの有名な「ていたものが、ある瞬間を境に突然速度を上げて動き出す、そんなノリだ。 2曲目の<セレナータ>にしても、バレエ全曲版で入る歌(組曲版だと歌は入らない)には物語として舞台上の動きと関係あるのかと言うと、それが無い。こっちに必要なのは「ムード 」だな。しかもウソっぽさを伴う。 とにかく元ネタの風情は、ほぼ無い。だが、大らかなファルスの精神(ファルスはバロック以前かも知らんが)そのものは見事に20世紀に蘇ったのだ。これもまたストラヴィスキー・マジックのひとつ。
by mwaka71
| 2006-05-30 02:13
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