津川雅彦がマキノ雅彦として映画を撮ったそうだ。
中島らも原作の<寝ずの番>である。予告編的な映像をどっかで観た。面白そうだ。
珍しく原作を読みたくなった。
読んだ。2時間もかからないぐらいで読み上げられる。
面白い。
僕自身の普段の笑いに下ネタはあまり無いけれど、そのほんわかとした猥雑さには大いに可笑しさを感じた。また、ごくごく自然にそういうネタがポンポンと出てくるが、中島らもは相当にネタを調べた、あるいは知っていたようだ。
冒頭の「そと」の話題からして可笑しい。
ついでに言うと、マリファナのネタは絶対彼の実体験が入っているな。怪しい人だったしね(笑)。
全体がひとつの落語のようになっていて、ちゃんとオチがついている。ただの猥談ではなくて、しっかりと計算された粋な文学作品だと思う。
しかし驚いたのは2つめのエピソード、<寝ずの番 Ⅱ>で、亡くなった兄弟子の死に方が、泥酔して階段から落ちて大ケガして死ぬ、というもので、それは中島らもの亡くなった時の状況と同じではないか。本人、見えていたのか。
とにかく、映画は映画で観たくなった。役者陣もハマっていそうだし。特に堺正章だね。でも、大分の上映、何でないのかねえ。