久しぶりに棚からフィリップ・グラスのヴァイオリン協奏曲のCDを引っ張りだした。ドイツ・グラモフォンのクレーメル盤である。この録音、クレーメルが「現代」のグラスをやるのは珍しくはないのだが、バックは何とウィーン・フィルである。若い団員も居るのだろうけれど、譜面を見てさぞ面食らったのでは。
とにかく延々と同じようなパターンの繰り返しである。それは協奏曲としての伴奏だから、という訳ではない。ソロ・ヴァイオリンのパートだって繰り返しだらけなのだ。オケと合わせて全体で波打つような音楽と言っても良いだろう。基本的にひんやりとした手触りだが、第3楽章(終楽章)辺りになると何故か熱すら感じてしまう。
ミニマルを侮ってはいけない。
因みに、僕はグラスは映画音楽の方が良いのでは、と思っている。<めぐり合う時間たち>(ニコール・キッドマンがアカデミー賞とったやつね)は冒頭から素晴らしい緊張感だし、何と言っても<ナコイカッツィ>とかの音楽は映像と一体となって圧倒的な力を感じさせてくれるから。
ただし僕にとってのミニマル音楽の本命はグラスよりもスティーヴ・ライヒなんだけどね。そうそうついでに言えばテリー・ライリーの<インC>なんかは演奏してみたいし。