クリスマスだというのに何も無い。もちろん何かなければならない、ということでもない。夜の市街地をさまよって、カップルを何組も見かけるのも別に何でもない(笑)。むしろ、センスが悪くゴテゴテと大量の電球を飾り付けている街中のイルミネーションの方が余程僕を苛立たせる。暗闇や寒々しさがあってこそ映えるものもあるはずなのだが。
とつらつら思いながら、今日も自転車を走らせる。聴こえてくるのはジョン・コルトレーンのアルバム<至上の愛>。
戟[ンの音が止む。次の瞬間 A Love Supreme を繰り返す声。
パート1全体の構成は、もちろん計算されたところもあるだろうが、多分4人が思っていた以上のインパクトを聴き手に与える。熱い音楽だと思う。だが熱いとは言っても、例えばアート・ブレイキーたちのような熱さとはまた異なる。何か、こう、強烈な求心力が働いているとしか思えないのだ。
この後の3つのパートも、もちろん素晴らしい。しかしそう続いていくための、問題提示の場としてのパート1の役割は大きい。
別に僕が言わなくても、このアルバムを聴いた人はみんな名盤だと思っているはずだが。