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大河ドラマ<新撰組!>の最終回を観た。1年間(全49回)欠かさずに観た訳ではないが、後半になると結構観た。また三谷幸喜のことになるが、<新撰組!>は大河ドラマ史上に残る傑作だったと思う。
僕の記憶にある最初の大河ドラマは承平・天慶の乱(=平将門の乱と藤原純友の乱)を題材にした<風と雲と虹と>である。1976年のことだ。5歳の子供が観るものではなかっただろうが。小学生時分は日本史オタクだったせいで大河ドラマは父親よりも熱心に観ていた。近代もの3作品<山河燃ゆ><春の波涛><いのち>は、ほぼパス(しかし、最後近くになってまともに観た<山河燃ゆ>は実は名作だったと思う)した後、世間的にも大河復活を印象づけた<独眼竜正宗>、<武田信玄>は本気で観ていた。その後は名作と駄作(テーマ自体で話が見えてしまうので)の入り交じりが続いた。1年間通して観ることは無くなった。2000年代に入ってからは、ハナから観る気を起こさせない作品が続いた。 そんな流れで登場したのが<新撰組!>である。とは言え前半はあまり観なかった。ストーリー展開のスピードが遅過ぎるように思えたからだ。だが池田屋事件あたり(7月)から俄然面白くなってきた。そして改めて三谷幸喜の台本の良さを実感し始めた。何よりも演じる役者の個性と、非常に丁寧に作られた登場人物のキャラクターとがダブるくらいに自然に見えていたのは驚きだ。三谷は芝居を書く時はアテ書きだ、ということを聞いたことがある。つまり最初からある役者にその役を演じてもらうという前提でホンを書く、ということだ。今回もほぼそういうことだったのではないだろうか。その意味でのハマリ役を挙げるなら、小林隆=井上源三郎、堺雅人=山南敬助あたりが特に素晴らしかったと思う。彼らの死ぬシーンではテレビの前で泣いた人が多かったのではないか。 もうひとつ全体的に良かったと思うこと。それはヒーローの不在である。大河は普通ヒーロー(稀にヒロインもある)を描く。敗者であっても悲劇のヒーローとしてだ。だが<新撰組!>にヒーローはいない。近藤勇はある種の志を持った人物として描かれたが、大河にありがちな全能的、超人的なヒーローではなかった。最終回のエンディング。近藤が首を切られた瞬間に「完」の文字が現れる。何の余韻も感慨も残さないし、与えない。こんな終わり方は大河史上初めてだろう。ヒーロー扱いなら何かまだ後にエピローグ的に続いたはずだ。だが本当の歴史というものにはやはりヒーローなどというものは存在しないのだ。 歴史は一人で作るものではない。その時存在した人間が同時にそれぞれの行動をして、それが結果的に多くの人の意志とはかけ離れたかたちとしての物事が起きる。それが歴史だ。その意味で<新撰組!>は近藤や仲間を通して歴史を描いた。 <新撰組!>の全体の視聴率はいまひとつだったそうだ。それは当然だと思うし、それで良かった。これまでのようなヒーローが登場し、合戦に勝ち、何事かを成し遂げるというようなワンパターンで、オヤジ好みの大河ではなかったからだ。これは僕たちの世代の新しい大河ドラマである。 最後に、<新撰組!>にフィクションが多いのでは? ということについて。フィクションのない、あるいは架空の登場人物のいない大河ドラマは存在しない。別に歴史ドキュメンタリーの番組ではないからだ。要は、そのドラマの主題にとって必要なフィクションや登場人物かということだけだ。その点でも<新撰組!>は見事だったと思う。 来年? <義経>? また悲劇のヒーロー?
by mwaka71
| 2004-12-12 23:50
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