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探し物や調べごとは決して嫌いではない。それがCDや書籍に関することになると、むしろ好きだ。探し当てて、自分のものになることが確定した時(もちろん「買う」という行為が間に挟まるのだが)の快感がとても好きなのだ。自分への課題をひとつクリアした感じ、とも言える。もっともそれは自分ひとりで勝手に課題扱いして、勝手に喜んで、勝手に満足しているだけだろう、と言われれば全くその通りでしかないのだけれど。
見つけた時、探し当てた時の興奮や快感というものは、その期間が長ければ長いほど大きくなる。僕の場合、そこに貧しい懐具合という、趣味の敵である条件(概ね自己責任ではある)が乗っかってくる。また、東京や大阪のような大都市に住んでいない、あるいは気軽に行けない、ということの意味、即ち日常的に物が集まっている訳ではない、物の流れや廻りが良い訳ではない、というハードルの高い条件も存在する。要は懐的にも距離的にも手の届く範囲に相手が収まってくれるような運も味方に付けなければならないのである。 さてグダグダと書いてきたけれど、昨日僕にはとても重大な探し物に行き当たった。タチアナ・ニコラーエワの最後の録音となったベートーヴェンのピアノ・ソナタ第21番「ワルトシュタイン」と23番「熱情」のCDである。もう何年も前から国内盤は廃盤になっているもの。これを見つけた時、僕はどれだけ心の中でガッツポーズを繰り返したことか。 このCDに初めて出会ったのは今から20年ぐらい前のこと。当時の職場で上司のもとにこのCDが試聴盤として届いて、それを僕が借りることになった。個人的に「ワルトシュタイン」への思い入れが強い僕にとって、ニコラーエワの演奏は衝撃的だった。およそ完璧とは言えないし、キレや輝きが散りばめられている訳でもない。だが僕は彼女の演奏にとても惹き付けられた。「ワルトシュタイン」のような曲に技術的な鮮やかさを載せてこないような演奏はつまらないかもしれない。だがニコラーエワの演奏が示す温かみや包容力の次元の高さは何と言えば良いのだろう。簡単に「枯れた味わい」というべきではないのかも知れないけれど、「ワルトシュタインを枯ら」してもなお、ちゃんと成立する演奏ぶりに僕は驚いたのだ。 20年前は、聴いて感想を述べて(もちろん絶賛して)上司にそのCDを返した。でも僕の中では忘れ難い名演のCDとして記憶に残り続けた。その後、僕は各地を転々としたし、その間にニコラーエワ盤の国内盤は廃盤扱いになったようだ。僕がその後このCDに再会したのは、今から8年前のこと。既に輸入盤だけではあったが新品がCDショップに山積みなっていた。僕は何故かそこで買いそびれた。当時の懐具合に合致しなかったせいなのだろう。 それからまた月日が流れて、僕も住処が代わって。実際のお店だけでなくて、インターネット上でこのCDを探すことは可能になった。でもやはり懐具合と合わない。クラシックの中古CDを取り扱いそうな店は徹底的にマークする。他のCDを探しながらとは言え、僕の頭の中の「探し物リスト」の筆頭に置いてはいたのだが、それでも見つからない。でも、大体こういうものは忘れそうな頃に突然出くわす。驚き、興奮した。ついに、である。それが昨日のこと。家に帰って早速聴いた。「あー、やっぱりこれこれ」である。昔の感動も蘇る。 執念や記憶の無駄遣いと思われるかも知れないけれど、それらを遣ってもまだまだお釣りが出るくらいの感激なのである。まあ、8年とか20年とか、とにかく求めていたことを成し遂げられたのだから。
by mwaka71
| 2015-02-10 23:22
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