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中山康樹の訃報記事を何日か前にネットで見て驚いた。まだそんなに歳ではないと思っていたのだが、悪性リンパ腫だったそうだ。
中山康樹と言えばもちろんマイルス・デイヴィス。僕が初めて彼のマイルス本に出会ったのは、大分のコンパルホールの図書館にあった<マイルスを聴け!>だったと思う。僕はもともとクラシック好きが長く、ジャズ系のものにちゃんと手を出し始めたのは20歳代後半になってからのことだった。 それまでクラシック関係の本や雑誌でしか音楽批評(のようなもの)に触れていなかった僕にとって、たまたま目にした中山の文章にはとても驚かされた。宇野功芳あたりのノリとも異なるテンションの高さ、「ドバーッとやればいいのだ!」とか「クーッたまらん!」のような下品と言えば下品かもしれないけれど、これ以上直接的で感覚的な言い方は無いように思えた。言うまでもなくそれまで僕が慣れ親しんできた吉田秀和の文章とは全く違う。でも読んでいて面白かった。そして実際にその音(CD、レコード)を聴いてみたくなった。 因みに僕がその時点で読んだ<マイルスを聴け!>は、後の言い方で言えばVersion3にあたるものだったはず。確か<Kind of Blue>についての書き出しが「アートである。ブレイキーではない。」という身も蓋もない文章だったと思う。くだらない。くだらないけれど、ある意味、分かる。この書き出しがVersionを重ねていくうちに無くなった。今、僕の手元にあるVersion7での書き出しにはそのかけらすらもない。まあ、ページ数の兼ね合いや本人的にVersion Upの意味で変わっていったのだろうとは思う。 もうひとつ中山康樹の文章に出会った最初の頃に読んだのが<ジャズ名盤名勝負>。デイヴ・ブルーベックについての文章が面白かった。今詳しくは書かないけれど、おかげで未だにブルーベック・カルテットの<イン・アムステルダム>というアルバムのCD化を待っている。 マイルスに話を戻すと、やはり僕にとって中山康樹を通してのマイルス理解は大きな意味があった。まあ、ブートレグに関する見解は必ずしも完全同意ではないけれど、とは言えSo Whatレーベルのものは結果ちょこちょこと手を出したし、「エレクトリック・マイルス」の方が僕にはより重要であることを気付かせてくれたのは中山の文章のおかげである。今ではマイルスで好きなアルバムを挙げろ、と言われたら僕は<On the Corner>を筆頭に挙げるだろうし、多分同じぐらいの感じで<Get Up With It>を挙げる。 <マイルスを聴け!>はVersionを重ねるごとに(という程全部の版を読んだ訳ではないのだが)、最初よりも表現自体は落ち着いていったように思える。単なるディスクの面白紹介というよりも批評に近づいて行った、という感じ。その方向で更に研究的な要素が加わっていったのが2009年から10年にかけてすごい勢いで登場した一連のマイルス本だと思う。<マイルス・デイヴィス 青の時代>、<マイルスvsコルトレーン>、<マイルスの夏、1969>、<エレクトリック・マイルス1972-1975>、<マイルス・デイヴィス 奇跡のラスト・イヤー>の5冊。僕は本屋で見つける度に速攻買っていた。菊池成孔の<M/D>も重要だとは思うけれど、まあ中山のものの方が新書で読み易いので。 マイルス関連以外の本もいくつかは読んだが、僕は<超ブルーノート入門>の2冊が好きだ。新書見開きの2ページという限られた字数の中ではあっても、1枚1枚に対しコンパクトに制作背景とそれを踏まえた論評がまとめられていて、単なる「入門」ガイドではないものだと思っている。 中山のロック系の本はあんまり読まなかった。僕自身がそこまでその方面に力を入れてきていないせいだけなのかしれないけれど。とは言え、ジャズ本、いやマイルス本だけでも中山康樹の文章には随分とお世話になったので大いに感謝したいと思うし、これから彼の新作が読めなくなるのはとても残念に思う。
by mwaka71
| 2015-02-10 22:29
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