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デイヴ・ブルーベックと言えば<TIme Out>。
でなければ<Dave Digs Disney>。 と、相場が決まっているのかどうかは知らないが、いずれにしても彼の代表作であることには違いない。そして<Jazz at Oberlin>はともかくとして、彼の活動がいちばん面白く聴けたのは1950年代後半から60年代後半ぐらいまでだったのではないだろうか。つまり、ポール・デスモンド(a-sax)、ジョー・モレロ(dr)、ジーン・ライト(bs)のカルテットだった時代である。 このカルテットによる録音は多いし、未だにCD化されていないものもあるので、ブルーベックは結構好きな僕でもまだ聴いたことのない録音はたくさんあるはずだ。この時期の彼の代表的な路線として<Time Out>以降、リズムや拍子に焦点をあてた「Time 〜」のシリーズと、演奏旅行先の土地の印象や民俗音楽的なものからもヒントを得た「Jazz Impression of 〜」のシリーズを挙げて良いと思う。あとは各地でのライヴ録音か単発的な企画盤とかのように見える。 この2つのシリーズは同じ頃のBlue noteやPrestigeにはあまり見当たらない色合いを感じる。いわゆる「サード・ストリーム」にはジョン・ルイスやMJQも近いところに居たのだから、その違いは白人とか黒人とかという違いではない。また白人のジャズと一応言ってみても、ビル・エヴァンスやジョージ・ラッセル(むしろこの2人の方が近い関係だろう)の音楽とも違う。 そう考えながら、ふと思ったのは、ブルーベックの音楽はそもそも「ジャズ」なのか、ということである。「スウィングしない」とかかつては言われたブルーベックだが、だいたい「スウィング」はジャズであることの必須条件だろうか。またブルース的感覚は必須だろうか。確かに身体的な意味での凄さ(だけじゃないけれど)は、アート・ブレイキーやリー・モーガン、ジョン・コルトレーン、ソニー・ロリンズあるいはバド・パウエルの演奏を聴けば、ブルーベックは誰にも及ばないかも知れない。 しかし、ブルーベックにとって、本当に重要だったのは作曲やコンセプトの提示だったのではないだろうか。その点から考えると、ブルーベックは作曲家としての存在の方が重要なのかもしれない。しかもそれはかなりクラシック寄りな発想として、である。彼の師匠がダリウス・ミヨーであったことは有名な話だ。ミヨーはかつてブラジルに行き、そこで現地の音楽に大きな影響を受けた作品、<ブラジルへの郷愁>を遺している。<世界の創造>や<屋根の上の牛>とかにもクラシック音楽からすると非伝統の匂いが強い。そしてミヨーの音楽の特徴と言えば多調であり、対位法的な処理である。2つの別々の弦楽四重奏曲を同時に演奏して弦楽八重奏曲にする、なんていう無茶な作品を書いたのもミヨーである。 そんな師匠から直接的にブルーベックがどのような影響を受けたかは分からないけれど、少なくとも超初期の<Dave Brubeck Octet>あたりだと、それこそジャズというよりクラシックの、しかも軽めのクラシックの雰囲気の方が強い。木管何重奏かのように聴こえるのである。 そうかと思うと1971年の<Truth is Fallen>では、多分ロック・オペラやミュージカルから影響を受けたような感じの音楽がカンタータの中に混在している。50〜60年代のブルーベックと同一人物とは思えない。 これを幅広い音楽性と言って良いのだろうか。節操が無い、というよりは、彼の聴衆から期待されているものと自身の興味とを結び付けることが出来る、その器用さがブルーベックの音楽の面白さなのだろう。同時にその器用さが、何となく「ジャズ」と彼の音楽との距離になっているようにも思える。
by mwaka71
| 2011-02-07 23:35
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