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数週間前にインターネットで展覧会情報を見ていたら、鎌倉文学館で<吉田秀和展>が開催されるとある。これは行かねばなるまい。そう思って、本当に指折り日を数えて、この日が来るのを楽しみにしていた。
新宿から小田急で藤沢に出て、そこから江の電に乗って由比ケ浜に向かう。座席に腰を下ろしてふと見上げると、車内の中吊りに、吉田先生の顔写真が入った、この会の広告が出ている。まさか中吊りで先生の顔を見る日が来るとも思っていなかったから、ちょっと驚いた。 由比ケ浜の駅から山の手にある鎌倉文学館にまっしぐらに進む。テレビドラマか何かで見た記憶のある、洒落た洋館だ。今日が会の初日だからだろう、玄関にスタンド花がいくつか飾られている。筑摩書房や現在の水戸市長からのものに並んで中村紘子からの花もあった。 閉館時間まであまり間がなかったから常設部分は飛ばして、企画展である<音楽を言葉に 吉田秀和>展の部屋に進む。第一部は「現在」と題されており、近年の先生の活動を紹介している。<音楽展望>や<名曲のたのしみ>、水戸芸術館、近著である<永遠の故郷 夜>などにまつわる写真パネル、本、そして自筆原稿などが展示されている。自分があの年齢になった時に、ああまでシャンとした字を書けるだろうか。今でも僕はグダグダな字しか書けないのだけれど。 シャンとした、というのは何も字ばかりではなくて、去年だったか、NHKで放映された先生を特集した番組で観た時も、その佇まい、姿勢などは相変わらずきちんとしていた。この展覧会で展示されている写真パネルもそうだった。 第二部は<軌跡>として、生い立ちからのことが紹介されている。大概は僕でもよく知っていることが多いのだが、こうして眺めていくと、何だか嬉しい気分になる。ところで、直接お会いしていた時もそう思っていたのだが、吉田先生のファッション・センスは実に素晴らしい。以前、銀座でちょっと仕事の話をした後で、お別れした後、お一人で去って行く後ろ姿を見て、「ああ、カッコいいなあ」と思ったことがある。そのカッコ良さは年を取ってからのことではなく昔からだということは、この展覧会に並べられた写真を見ても分かる。 さて、こう書いてくると僕は少し自分の思い出に浸り過ぎているようでもある。だが、僕にとって大事なこと、それは吉田先生はこのようにして音楽や芸術などと向かい合ってきた、では僕はどうする?ということなのだ。僕は単なる一介の愛好家に過ぎないのだけれど、自分の生活、いや精神活動と言った方が良い、その中で、音楽や芸術はとても大きな位置を占めている。自分としてそれらとどう折り合いをつけていくか、ということは某所を辞めた時からずっと課題になったままなのだ。吉田先生のような人は今後出てこないと思う。それはそれで当たり前の話だ。時代も潮流も変わった。だが依然として音楽や芸術は存在し続けているし、それに関わる批評や評論もある。あるけれど、ことクラシック音楽については、どうにも閉塞的な状況が続いているように見える。ジャンルとして「滅び」のジャンルであるのかも知れないが、まだ何か出来ることはあるのではないか、と僕は思う。もちろん、僕自身は大それたことを出来る能力も立場もないから、何かをやったとしてもそれは全て自己満足でしかないだろう。そうと分かっていても、何かはしようと思う。 そんなことを考えた。
by mwaka71
| 2008-10-08 00:01
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