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<別冊太陽>を買うには勇気が要る。別に中身が恥ずかしいとかそんなことではない。値段である。大概は2000円以上する。写真を多く使っていて、しかも大判だから仕方がないと言えば仕方がないのだが、ちょっとした文庫なら3〜5冊ぐらいは買えるかも知れないし、ちくま文庫でも2冊は買える。なので、それらに見合うぐらいの中身がないと手を出し辛いのである。
しかし、今回は即決だ。内田百閒だから、である。ちくま文庫の集成(全24巻)も半分以上は入手したし、その中には「百鬼園写真帖」と題されたものもある。題名どおり、百閒の写真だとか資料だとかをコンパクトにまとめたもので、新潮の「日本文学アルバム」と同じような内容だ。 そういうことを分かっていながら、それでもなお、なのだ。マイブームとしての内田百閒はまだ続いているのである。 さて、実際に<別冊太陽>の方を買ってみて、中身を眺めていくと、もちろん、かなり多くの事柄や写真、資料についてはこれまでに触れたことのあるものだ。だが、何故か嬉しくなる。赤瀬川原平や池内紀をはじめとする人々の、百閒についての文章も楽しいし、全体として百閒先生への愛情というか理解というか、そういったものを感じてしまうからだ。 例えば、表紙を見れば分かる。タイトルで「内田百閒」と大書する横に、副題として「イヤダカラ、イヤダの流儀」とある。百閒愛好者にはお馴染みだが、この「イヤダカラ、イヤダ」というのは、彼が芸術院の会員に推薦された時に断った理由として世に伝わっている文言だ。笑いの要素さえ含む、彼のヘンクツの象徴ということだろう。 また同じく表紙に書かれた紹介文。「鉄道紀行『阿房列車』の軽妙洒脱、幻想的小説の摩訶不思議、百鬼園随筆の滑稽と涙の味、七色の人格が奏でる一人の世界。天才的文章家、未だ沈まずや。」とある。百閒の芸術を見事に要約した文章だなあ、と思う。 そして表紙の写真。鉄道マニアだった百閒が、東京駅の一日名誉駅長になった時に、特急<はと>のデッキに乗り込んだ際の写真が使われている。駅長の格好をして、口をへの字に結んだ頑固そうなジジイがこっちを睨んでいる。だが、実のところ、本当は彼は<はと>に乗ってはいけなかったのに、ワガママで乗り込んでいるのだ。内心「早く出発しねえかな」と思っていたに違いない。そんな1枚。 表紙だけでこんな調子だから、あとは推して知るべし。もともとの愛好者にとっては最高の内容だし、百閒先生をこれから知ろうという人にはオススメの一冊。
by mwaka71
| 2008-09-03 01:08
| 今日ふと心に浮かんだ考えは。
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