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穏やかな曲を聴きたくなることが多くなった。もちろん突然そうなった訳ではなくて、年を取るとともに、と言った方が良い。今でも激しいものや派手なものだって聴くし、「怖い」タイプの音楽に対して避けたいような気持ちもそんなに無い。
それでも、深夜であったり、雨とか雪が降るような日には、しみじみとしたものを聴きたい。そう思うと、どうしてもシューベルトやシューマン、そしてブラームスあたりの室内楽とかピアノ曲のようなものを選びがちになる。 今晩はブラームスのヴァイオリン・ソナタ第1番の気分だった。それはこの曲が「雨の歌」という副題を持っているからではない。確かに今日の東京は雨模様だったのだけれど。そういう副題が無かったとしても、このしっとりと濡れたような音楽は、やはりブラームスならではだろうし、聴けばじわりと心に沁みてくる。 穏やかで伸びやかに始められる第1楽章は、6拍子をいろいろに使い分けるリズム・パターンを持った旋律が現れて変化に富んでいる。シューベルトの器楽曲での「節回し」のように、明確に「歌的」な旋律だとは思わないが、それでも美しい旋律がずっと奏でられる。ヴァイオリン助奏付きのピアノ・ソナタでもなく、ベートーヴェンのような協奏的なソナタでもなく、ヴァイオリンとピアノとが互いに支え合うことで生まれる響きは、浮き過ぎず沈み過ぎず、心地良い。 第2楽章は更に音楽は落ち着いて、重い部分も現れる。第1楽章の影のようなものにも思えてくる。その留まった状態から、第3楽章になると再び音楽は動き出す。動き出すが、第1楽章のト長調、第2楽章の変ホ長調の後にト短調で始められる。冒頭に出てくる主題は、第1楽章の主題と関連性があることは誰が聴いても分かるはずだ。ブラームスは第1楽章の主題を変形させて、第3楽章に使って、全曲の統一を図った、のではない。この曲の「雨の歌」という副題のもとは、ブラームス自身の歌曲、作品59の3<雨の歌>の旋律を引用しているからだけれど、それは第1楽章ではなく、第3楽章の主題の方に引用したのだ。ということは、第3楽章の主題が最初にありきで、そこから第1楽章の主題が逆算的に導き出された、ということだろう。 これだけ情緒的な音楽であっても、それを成り立たせるための周到さは相当なものだと思う。ブラームスはブラームスなのだ。とは言え、そんな「舞台裏」が見えても見えなくても、このソナタの美しさには泣ける。
by mwaka71
| 2008-06-30 01:32
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