僕としては珍しく公開直後の映画を観た。もちろん三谷幸喜の<有頂天ホテル>である。
梅田で2つの映画館が上映しているから、どちらかで観られるだろう。観たい時間の1時間前、指定を取っておこうと思って映画館に行ってみた。既に予約でいっぱいだった。せっかく観る気になっているのだから今日観たい。もうひとつの映画館に急いだ。こっちは上映1時間半前だ。おお、何とか取れたぞ。
そして上映開始。
三谷幸喜の作品は、ある意味で最初からネタバレしているところがある。何故なら彼の作品は基本的にほぼハッピーエンドで終わるからだ。三谷作品の楽しみ方はストーリー展開ではなく、その途中にちりばめられた数々のエピソードであり、それらがどのように繋がり合っているのか、一見無駄に思える程細やかなキャラクター設定などが挙げられる。
今回は出演者の豪華さが言われるが、誰か一人が飛び抜けた存在になっている訳ではない。その代わり誰が抜けても作品としては成立しなくなる。これは今回に限ったことではなくて三谷作品の定石ではあるが、実はスゴいことだと思う。
無理をしないで自分の思うとおりの道を進む。その大切さは分かっていても忘れやすい。この作品の中ではそれを周りの人間が教えてくれる。その連鎖が笑いの中に描かれるから気分が良くなる。
最後のパーティの場面、そこに居る人々の楽しそうな表情が実に清々しい。
ひとつだけ心残りは「クネクネ」の携帯待受け画像が観られなかったことだ(笑)。