だった。
(文章データ欠落)
舞台上には実際のところ、セットらしいものは何も無い。始まって1分半ぐらい誰も出てこない。ようやく出て来たかと思うと、完全に普通の会話での喋りだ。テレビのヴォリュームを上げてもなかなか聞こえないのでヘッドフォンにしなければならなかった。
喋り方は、当世若者(笑)的な(いや、一応僕もそういう喋りになっている自覚はあるのだが)句点がまるでなく、延々と独り言を聞かされているような感じだ。しかも時々、「今から〜のところをやるんですけどー」とか解説風になるのが可笑しい。
登場する人物が全て、ほぼ舞台上に他に相手が居ないかのごとく(実際に一人か二人の場面が多い)の喋りを、結構な勢いで放つ。無愛想で無遠慮にすら聞こえそうで、しかもそれが結構なスピードなのだ。
演技らしい演技はほとんど見られないが、複数の人物が、バラバラな場面でひとつの情景について喋るから、最初は何処に話が流れていくのかは分からなかった。しかし、何度も繰り返され、間接的、直接的に、また時間差攻撃的な台詞の数々で、次第に観る側にも状況が呑み込めてくる。そしてそこに漂うムード、だる〜いムードは恐ろしい程のリアルさを伴う。
一見無手勝流でありながら、この作品、実は相当に計算されているように思える。同僚が言っていたとおり、これはスゴかった。