最近はヤナーチェクの作品の中でも、これまであまり聴いてこなかった合唱作品に大きな関心を持っている。ただし、<グラゴル・ミサ>は例外。毎日聴いても良いと思うぐらいに愛聴している。だからそれ以外の、もっと小さな編成の合唱曲のことだ。
1925、26年の作品で<わらべ歌>という作品がある。全18曲だが、ひとつひとつの曲が短いから15分程度しかかからない。ただ、編成のへんてこなところがいかにもヤナーチェクらしく木管楽器群と打楽器、そしてピアノ、コントラバス、そしてオカリナ!を要するのだ。
こういう楽器の色を巧みに扱う一方で、声楽パートは実際直ぐにでも歌えそうなレヴェルの音楽を与えられている。一応混声合唱ではあるが、ハモってどーのこーのということでもない。むしろユニゾン命(笑)のような状態です。だから絵に描いたように素朴な、しかし変化と野趣に富んだ音楽が生まれるのだ。
チェコ語という言語のハードルは、むろん高い。とは言え、そのハードルを乗越えた時に得られる楽しみは非常に大きいはずだ。
名曲。