3日続けての映画である。今日は十三(=地名/「じゅうそう」と読んでください)の第七藝術劇場という映画館に行った。十三は改札を出た瞬間に飲み屋街である。初めて歩いたが、大分で言えば都町のど真ん中の雑居ビルに映画館があると思ったら良い。だから僕は少々ヒキ気味になる。
それは置いといて。
観たのは<プロジェクトY>という作品。去年の湯布院町議選を追いかけた、別府出身の楢本皓監督作のドキュメンタリー映画である。
冒頭、大分県庁の元文化振興課長のN氏がチラッと映る。ご愛嬌。その後も見覚えのある人々がちらちらと画面に現れる。
町長の汚職逮捕に揺れる町の議会選挙の最大の焦点は、町の合併問題である。町おこしグループで活動してきた青年たちが立候補する。定数15に対して16人の立候補者が立つ。告示前から投票結果が出るまでの数日間が画面に凝縮される。
政治に対して、より積極的に関わっていくことで町を良くしていこうという青年たちの意欲や熱意は、国政レヴェルの選挙ではなかなか見られないものだ。もちろん地元に密着した問題に直面しているからではあるのだろうが、それでもこれだけの熱さは素晴らしい。
その一方で選挙のスタイルは「ドブ板」である。選挙はオシャレである必要はないし、まずは当選することが第一であることは理解できるが、絶叫・連呼はどうにかならないのかねえ、とふと思う。
映画の話から離れた。映画としては正直言ってあまり評価できないな。第三者としての視線は不可欠だ。しかしある意味での作為が無さ過ぎるように思える。青年候補者を追いかけるのはいいが、彼らの各々が歩むストーリーの見せ方は何か工夫が出来たんじゃないだろうか。また町村合併に賛成の候補者は居なかったのか。少なくとも重層的な描き方だとは思わなかった。
映画にする、という意味はどこにあったのか。ドキュメンタリー映画というのはこんな感じかなあ、とクエスチョン・マークがいくつも付きながら観ていた。
映画館についてもうひとこと。環境は良いと思えないが、上映作品はちょうどシネマ5と傾向が似ているように見えた。良かった。こっちでもミニシアター系が観られるね。