きっかけが何だったかは覚えていないが、植田正治の写真をきちんと意識して観たのは、福岡(県立美術館ではなかったか)であった展覧会だった。
鳥取砂丘で撮られた写真はシュールにも見えるし、オシャレにも見える。それが<砂丘モード>という作品群で、1980年代から90年代にかけてのものだった。ところが、同じ砂丘で撮った写真で、新しいものと全く遜色無く現代性を示すような作品もあった。そっちは1950年あたりのものだった。とても半世紀近くも前の写真だとは思えない。
デザイン的なバランスあるいはアンバランスの構図があり、そこに居る人物たちの醸し出す何とも言えないいい味、そしてこれらの写真がモノクロであることなどを引っ括めていくと行き当たるのは「モダン」という言葉だ。
植田正治の美術館が鳥取県の大山の麓の町にあるのだが、大分からだとなかなか行きづらい。いつかぜひ行ってみたい場所のひとつ。http://www.japro.com/ueda/