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前々から気になっていた人である。
池上彰という人を初めて意識したのは、土曜日の夕方にNHKでやっている<週刊こどもニュース>の「お父さん」役で出演しているのを観た時だった。子供向けとは言え、何てわかりやすい伝え方をしているのだろう、と観る度に感心していた。 いつの間にか民放にも出るようになったなあと思っていると、それは当然のことながらNHKを退職してから、ということになる。最近では<学べる!!ニュースショー!>での解説が相変わらず素晴らしいと思う。 やはりNHK退職後だろうけれど、いつの間にか彼の著作がいろいろと書店に並んでいる。で、今回は自分の勉強にもなるだろうと思い近刊の<わかりやすく<伝える>技術>という新書を購入してみた。 タイトルのとおり、この本は「わかりやすく伝えるための技術」をわかりやすく教えてくれる。報道というものを考えた時に、テレビより新聞の方がより丁寧で信頼出来る、ような気がしている、少なくとも僕は。その意味では保守的なのかも知れない。だが、池上氏の場合は、テレビだからこそ可能な伝え方、即ち「生きた言葉」で伝えるための最善の方法を自ら編み出してきたのだ。そのノウハウの一端を示したものが本書なのだろう。 スピーチでもプレゼンでも講演でも、結局、自分の喋りを聞いてくれる聞き手をどう意識するか、である。聞き手に理解してもらうためには、まず自分自身が喋ろうとする内容をきちんと整理出来ているかだ。それは話題の優先順位であって(場合によっては思い切った単純化)、順序であって、抽象化と具体化の適切な使い分けであったりする。文章における「てにをは」のように基本と言えば基本ではある。だが、自分がそれを常に意識しておかないと上手くはいかないはずだ。理解してもらえないのは相手が悪い、なんて考えるのはもってのほかだ。 さて、ここで池上氏が書いたノウハウの部分をなぞる必要はないだろうから略。本書を読んでください、オススメします。 興味深かったのは、最後の第10章だ。ここで氏は自身の勉強法や情報収集術も紹介している。更に控えめではあるけれど、現在のマスコミやメディアに対する彼の見方が垣間見える。例えば世界恐慌についての本を探すにあたっては、 「まずは、危機をひたすら煽るような題名の本は避けた方が無難です。(中略)こういう本の場合、中身も針小棒大、大したことのないものを重大に言いつのっている可能性があります。」 と述べている。更に出版社や著者を見ればハズレの可能性や信頼度も分かる、と続く。世界恐慌に限らず、他のテーマでも同じことが言えるだろうということは直感的にも分かる。 また久米宏の話術について述べた後、下手なコメンテーターやキャスターについても触れている。「次のような「わざわざ言わなくてもいいだろう」というありきたりのコメントです。 「政府には早急な対策を望みたいですね」 これは、何も言っていないコメントです。テレビの前の視聴者は、「それくらい、オレ(私)だって言えるよ」と怒りたくなることでしょう。」 何だか具体的な人物の顔が何人か浮かんでくるのだが、僕はもちろん池上氏に同感である。 それから余談。 これは僕がもともと考えていたことだけれど、「わかりやすい」ということと「レヴェルを下げる」ことは別物だと思う。身近な例を挙げれば、クラシック音楽の演奏会で「子供向け」とか「入門者向け」と謳った時に大概のものはこれを混同している。あるいは区別がついていない。僕自身も気を付けなければいけないとは思うのだが。
by mwaka71
| 2009-09-08 01:19
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